多岐亡羊

社会を漂いもがいて何とか生き長らえる子羊です。

アイドルは空飛ぶ鳥の夢を見るか?

 「アイドル」とは元々の偶像という意味から、近年では「人気のある芸能人や多方面で活動する歌手、俳優、タレント、声優など」くらいになったと考えていいだろう。

 それが現実世界のみの存在に留まらず、仮想空間やアニメーションで表現されるアイドルも増えている。

 信仰の対象、不可侵の存在から、身近な存在、「会いに行ける」存在となり、次は仮想上の存在という、不思議な変容を遂げている。これは技術の進歩に伴う変化ではあるが。

 アイドルを仮想の存在として一部代替可能となった今、アイドルが人間である必要って何だろう。

 完璧ではない生身の人間が必死にもがき、悩み苦しむ姿があり、不器用さを残している。そのためファンは共感し、「近さ」を感じ、親近感を持つことができる。また、そこに感動を覚え、生身の人間の健気に、頑張る様子に応援したくなってしまう。

 生身の人間であるが、ゲーム感覚で応援しているような感覚も感じられる。が、多くは生身の人間として守る、育てるという目線や、無意識のパターナリズムが感じられる。生身であり、「近さ」を感じるため、自分が見てあげないと、応援してあげないと、と感じてしまう。

 アイドルとしてパッケージ化された商品である。ファンは、プロデューサーだったり親などではなく、一消費者であるということを感じにくくしており、そこに気が付かず自覚していないのは「滑稽な上から目線」であると言える。「近さ」故に盲目化してしまっている。

 大量にグッズを購入するファンがいるようだが、自分が支援者であり、商品を買わないと、イベントに生きメンバーに会わないと、という義務感、焦燥感のようなものに追い立てられてしているのではないか。

 つまり、実在の人間だから、応援したくなる。身近な存在だから、応援したくなる。そういう心理のためだろう。

 そしてそれを利用されている。アイドルが「人間」である理由、それはそれで儲かるから。アイドルにルビを振ると、経済的奴隷とでもなろう。

 「近さ」故に距離感を見誤たり、盲目化した一部の人間は考えられない行動を取る。ここに書くまでもない。

 奴隷と書いた理由は当然、そのような危険性をプロデュース側は理解しているだろうが、実際に問題は多発しているからだ。

 「人間」として軽んじられているのだろう。代替可能な商品とでも。卒業とか、恋愛問題での追放とか、商品価値がなくなったから捨てるというそれだけの話。恋愛報道によりファンが怒りを感じるのは、「生身の女の子」であることを忘れ、「アイドル」、自分のための存在と勘違いしてしまうようになるからだろう。恋愛禁止とか時代錯誤なことやってるのは単純にファンに夢を見させ、貢がせるようにするため。健気でもなんでもない。

 仕事として、なのに努力している姿、を見せる手腕は本当に恐ろしい。どこまでが仕事か、意思か、思惑か、分からなくなってしまう。

 そして奴隷であるもの。それはファンも同様かもしれない。

 

 バーチャルアイドルの話はまた後日、、、したい、、、。